奈良の「神鹿」腹にボウガン刺さり衰弱(読売新聞)

 13日午前10時10分頃、奈良市春日野町の春日大社表参道で、シカの腹部にボウガンの鉄製の矢(長さ約52センチ、直径約7ミリ)が刺さっているのを男性が見つけ、「奈良の鹿愛護会」を通じて奈良署に通報した。

 同会職員が応急措置を施したが、シカは矢が腹部を貫通し、衰弱しているという。同署が文化財保護法違反(天然記念物き損)容疑で捜査している。

 同署の発表などによると、シカは雌の10歳ぐらいで、体長約135センチ、体重約45キロ。同会職員が駆けつけた時、矢が刺さったまま、歩いていたという。

 奈良のシカは、同大社の「神鹿」とされ、1957年に国の天然記念物に指定。奈良公園内では2003年7月と08年8月、ボウガンの矢などが刺さったシカが見つかっている。シカを保護した同会事業課長補佐の石川周さん(32)は「驚きと悲しみで言葉にならない。シカが二度と悪質な被害に遭わないよう巡回を強化する」と話している。

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